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武装の歩兵を幾十、幾百の重爆撃機から振りまいて敵の後方を攪乱しようというソヴィエト軍お得意のパラシュート作戦に拮抗して、今度ドイツ・サクソニーのステンダールに世界最初のパラシュート学校が生まれた。
パラシュートは航空機搭乗員の生命の安全を保証するという消極的な役割から積極的に急を要する糧食弾薬の補給に用いられるようになり、現に支那大陸の戦線ではわが航空部隊が度々用いて功を奏しているが、(第43号「空の兵站線」参照)さらに歩兵にパラシュート降下訓練を施して、この部隊を大型航空機に搭載し一気に敵の背後に運んでパラシュートで降下させ敵の後方攪乱を図ろうといういわゆるパラシュート作戦が研究されている。

将来戦における勝利のカギは空軍力にありという建前から大空軍建設に邁進しているドイツはこの奇襲作戦に着眼してその組織的訓練に乗り出し、空翔ける歩兵部隊養成のための世界最初のパラシュート学校を創設したのである。

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飛行機の戸口から大空に向かって飛び出すには相当の勇気が要る。この度胸慣らしのためにまず室内で台の上から安全綱をつけて何度も飛び降りの練習をする。

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またパラシュート降下の時には自身の重みと風のためにひどく揺られて苦しいものだ。その時の準備訓練として天井から吊り下がった綱にぶら下がって揺れの練習をする。

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これが済むといよいよ本物の飛行きから飛び降りる。びくびくしないでこういう風に勇敢に飛び出すのである。背に着いた紐はパラシュートを安全に開く装置である。飛行機の高度800メートル。速力160キロ時。

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快躍する飛行機の胸の辺りから次々と飛び出した黒いものは猛烈な勢いで降下したかと思うとパッパッと見事にパラシュートが開いて悠々と降りてくる。

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さて足が地に着くと風をはらんだ大きなパラシュートに引きずられないよう、ぐっと、紐の一部を引っ張る。するとパラスートは風を失ってしぼむ。

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それと同時に彼らは腰のベルトを素早く外して攻撃の姿勢をとる。今はまだ丸腰のままの練習だが、やがて銃も、機関銃も持って本格的な奇襲演習が始まることだろう。

 

第56号 昭和14年3月15日

目次

  • 広告「貯蓄債券」
  • 東亜新秩序建設運動華僑大会(写真記事)
  • 華僑に興亜の春(写真短信)
  • 済南に聴く建設の響き(写真短信)
  • 大陸の勇士のお手伝い(写真短信)
  • 特集:日本の懐に抱かれて – 隣邦の孤児は育つ大阪悲田院(写真記事)
  • 海外通信 新しきスペインの黎明来たる(写真短信)
  • ドイツのパラシュート学校(写真記事)
  • 読者のカメラ(読者投稿写真)
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【ちょっとやってみたい】世界初のパラシュート学校!【ドイツ】

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