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大陸日本建設の前衛として満蒙の広野に開拓の鋤を振っている若い土の戦士に良い花嫁を世話したいという東京府学務部職業課の心遣いで、こんど東京市蒲田区矢口町の多摩川河畔に満蒙青年移民のための花嫁学校ーーー女子拓務訓練所が生まれた。

開拓者の良き妻たるにはまず志操堅固で困苦に耐え、農耕の技もできねばならないが、あの荒涼たる野に一輪の麗しい花と開いて、楽しい家庭を作るには、何よりも女らしい優しさ、温かさを持った人でありたい。

東京府のこうした希望に応えて率先募集に応じ、試験に合格して訓練所に入った第1期花嫁候補40名は今、風薫る多摩川河畔でまだ見ぬ満蒙の新天地に想いを馳せ、まだ知らぬ未来の家庭生活を胸に描きつつ、雄々しい農耕に、経済、衛生の勉強に、あるいは料理や裁縫の稽古に勤しんでいる。

(写真1・右ページ右上)

応募者選考の体格検査は東京府庁内で行われた。体格の良いことは第一の条件でなくてはならない。

(写真2・右ページ右)

訓練所入所式は神前で厳粛に行われ、所長さんからまず開拓者の花嫁たるべき心得を諭される。

(写真3・右ページ右下)

入所式が済むと、彼女たちはよそ行きの着物を脱いで早速モンペを縫いにかかった。

(写真4・右ページ上)

今日は梅雨晴れ。雄々しくズボン、地下足袋、麦わら帽子姿で多摩河原の農場へ。

(写真5・左ページ上)

ここの訓練所は男子の拓務訓練生が府下南多摩郡七生村へ移転するまで訓練を受けていた所。彼らが開墾した地に実った麦を彼女たちはとりどりの想いを込めて刈り取る。

(写真6・左ページ左下)

あちらへ行けば東京で食べていたような贅沢なものはない。大根や芋や菜っ葉、そんな材料だけでも、単純な調味料だけでも美味しく夫君に食べてもらえるような腕前になっておきましょう。

第73号 昭和14年7月12日

目次

  • 広告「生命保険会社協会」
  • 外蒙ソ軍殲滅戦(写真記事)
  • TK3中型旅客機 航空局の試作機成る(写真短信)
  • 満蒙へ送る花嫁さん(写真短信)
  • 武門の遺児へおくる(写真短信)
  • 海の道場(写真記事)
  • 海外通信(写真短信)
  • 読者のカメラ(読者投稿写真)
  • 復習室
  • 広告「ニッサントラック・バス」
  • 広告「薬用クラブ歯磨き」

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