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部隊が敵に遭遇すると今まで隊伍を組んで行軍していた部隊がたちまち伍を解いて散開する
敵の攻撃による不必要な損害を避け敵を強力に攻撃するためである
我々の都市も今や敵に遭遇したのである
疎開の号令は逃げ腰になれ、というのでは断じてない
敵を迎え撃つ構えをとれ、というのである

疎開しないままで空襲を受けたら

敵の5機編隊が一斉爆撃を行ったものとし、その被弾区域の一部、縦300メートル x 横100メートル(約9,000坪)の地域に、ボーイング(B17)1機の搭載量である2トンの焼夷弾、爆弾が集中投下されたものと仮定すれば、焼夷弾だけでも403戸の住宅・工場の中の172戸に命中する

<略>

さらに敵アメリカの陸軍司令官アーノルドが『対日攻撃に使用するのだ』と豪語しているボーイングB29は、全備重量40トンとしか発表していないから、果たして呼号するほどの威力を持つかどうか疑わしいものの、4トンの爆弾は搭載できるものと見られる。

<略>

敵はその残忍な無差別空襲を強行しようと、わが本土を狙っているのだ。そのためには、一刻も早く疎開を成し遂げなければならない。

都市を防空要塞に

わが国の都市は、外国人が言っているように燃えやすい『木と紙』で作られた家屋がぎっしりと建て混んでいる現状であって、その上京浜、阪神、名古屋、北九州の4地域には殊に人口と家屋や重要な施設が集中しているから、まことに空襲に対する本土防衛上最大の弱点と言わなければならない。

この弱点を取り除いて完全な防空要塞を築き上げるためには、まず

1 人口全体の集積が多くないこと
2 空き地が多く、建物が疎開されていること
3 重要な施設もまた疎開されていること

が必要であって、これを実現する方法として、すでに国土計画に基づき前記4地域に対し、工場規制と学校規制を施行し、大都市に工場、学校が集まらぬようにするとともに人口が集中しないようにした。

一方では防空空き地、空き地帯、防空緑地を指定して、大都市の周囲と都市に残っている空き地を確保し、また空き地地区を指定して市街地建物法による建物と敷地の割合を制限しているのであるが、今度の疎開ではもっと徹底して行うことになり、すでに建て混んでいる市街地から家屋を除去して空き地を作ることになったのは知られている通りである。

疎開の目的

いうまでもなく疎開は防空都市の建設を目的としているのであるが、その直接の目的の第一は、いざ空襲の時には、警防団、隣組などの消防活動とともに空き地帯によって火事の延焼を防ぐにある。たとえ敵の暴虐な集中爆撃によって、前述のような大火災が起きたとしても、それ以上に燃え広がらぬように防ぐ。

なんの準備もなかった大正12年の関東大震災が壊滅的な大災禍にまで進展したことを思えば、絶対に必要なことである。

<略>

この疎開によって、東京都のように密集した市街地や重要施設の周囲や交通上の要衝などの家屋が取り払われ、縦横に幅50メートルから100メートル程度の空き地帯ができあがるのであって、防空都市としてはまず第一歩を踏み出したことになり、今後ますます推進せねばならぬ。

第311号 昭和19年3月1日

 

目次

  • 時の立札
  • 疎開しないままで空襲を受けたら
  • いかに疎開すべきか(写真・図入り記事)
  • 都市要塞化のためだ 一刻も早く進んで疎開しよう(写真記事)
  • 疎開をするには(写真記事)
  • 疎開輸送費便覧(表)
  • 良い甘藷苗の作り方
  • 三月の常会
  • 戦う母の教室 -埼玉県忍町(写真記事)
  • ジャワの女性も懸命に働いています(写真短信)
  • 共栄圏だより(写真短信)
  • 照準器(イラスト・マンガ)
  • 広告「弾丸切手」

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