280pick

戦う海に魚群を逐って

〜トロール船決死の活躍〜

戦争の現実は、海にゆくことがすでに戦いに臨むことだと教えている。たとえ艦艇に乗組み、武器をとって敵と渡り合いはないでも、輸送に漁労にと大洋を舞台に、御国に尽くすご奉公の道には変わりないのだ。

扁舟に身を託し、一艇の櫂、一枚の帆をたよりに、洋上遠く乗り出し、あるいは10数トンから2〜300トンの小機船を駆って、荒天と闘い、波濤を征しながら戦う海に魚群を逐うて、食糧増産と国民栄養の確保を目指して日夜敢闘を続ける水産戦士達もまた等しく『水浸く屍』を男子の本懐とする海国日本の益荒男なのである。

遠く東シナ海を主漁場として、北は霧氷閉ざす北洋から、南は赤道を超えてはるか西南太平洋あたりまでも魚群を求め漁獲高の増産に活躍するトロール漁業。ここにも逞しい海国日本のひとつの姿がある。

完備した冷凍冷蔵装置を装備し、4〜500トン以上航続力410日以上、無線を装備し、魚倉も百数十トン、遠洋出漁能力の優れた優秀船に海国魂を乗せ、日の丸の標識も誇らしく、堂々と大洋に戦いを挑む時、戦時下日本の水産戦もまた高らかに凱歌が上がるのだ。

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漁場についた船は曳網を入れる__編みも引き綱も手入れは完全だ

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12海里くらいの速さで網を引いてぐんぐん走る

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ひと網4〜5時間。やがて引き上げ作業にかかった。ドンドン手繰り寄せる網袋は大漁に海面に浮き上がってくる

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甲板に搬出された魚の山__ひと網約300貫(約1,125kg)くらいの漁獲がある

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獲物は素早く選り分けられる。20貫(約75kg)もあるニベが入っていた

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魚種別に氷箱に詰められた。こうして冷蔵装置の完備した魚倉に貯蔵され約10日から長い時は20余日の漁労を終えて各基地に帰港する

第280号 昭和18年7月14日

目次

  • 時の立て札
  • インド独立をめざし敢然武力闘争へ(写真記事)
  • 200年にわたる英国のインド略奪と血の抗争(写真記事)
  • 戦う海が君らを待っている(写真記事)
  • 練習船で戦う海へ(写真記事)
  • 戦う海の座談会
  • 戦う意味に魚群を逐うて(写真記事)
  • 2人6脚草取り競争(写真記事)
  • 増産手帳
  • 受信室(投稿写真)
  • 照準器(風刺イラスト)
  • 広告「郵便年金」

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【水産資源と戦争】漁民もトロール漁でご奉公

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