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僕も空へ -茨城県土浦

若鷲志願一本槍のヨイコたちのために、茨城県土浦市の真鍋国民学校では、すぐ近くの予科練の教官と協力していろいろ工夫していますが、これはその一つで翼の戦士に必要な適性訓練を盛り込んだ『征空走路』です。初秋の大空に、1kmの走路を一生懸命に走って、転んで、飛ぶヨイコは、七つボタンの颯爽とした姿を夢見て元気いっぱい飛び回っています。
『征空走路』とはどんなものでしょうか。まず出発点に整列したヨイコたちは先生の号令でお友達を背負って走ります。
200mほど走ると坂に出ますから、身軽になっててんで前に後ろに、あるいは横に転んで起き上がります。これで体の各部を平均に強くするのです。
300mくらいで今度は急な石段を駆け上がり、呼吸器を丈夫にします。
次にすり鉢型の旋回壕で目が回らないようにするために早く走りながら、空中戦と格闘に大切な訓練を受けるのです。
壕を出てから高台を登って、砂場へ目掛けてうんと高く飛び降ります。この訓練が落下傘降下の時に役立ちます。
さらに倒立してから頑張り精神を発揮して高い板塀をよじ登り回転器に乗ってぐるっぐるっと体全体を回転させます。これが済むとたくさん並んだ竹の棒の間をすばやくくぐり抜けて、目と体のこなし方を習ってから跳び箱をポンと勢いよく飛び越え、鉄棒で静かに逆立ちをして、最後に百発必中の射撃訓練をして終わります。
もちろん『征空走路』を一回駆け回るとさすがのヨイコもへとへとになりますが、これで僕たちは雛鷲になれるのだと一生懸命に頑張って、空へ征く日に備える猛訓練に夢中になっています。

写真1右下>
すりばちのような旋回壕の底へ落ちれば戦死だ。落ちないように走り続けるうちに、空中格闘もでき、目も麻痺しなくなる。

写真2左>
飛び台から高く飛び降りる時に、落下傘で降下しても衝撃を少ししか受けない体が培われる。

写真3左下>
坂道を裸でごろごろ前へ後ろへ転ぶごとにヨイコたちは雛鷲らしいたくましさになる。

第339号 昭和19年9月20日

目次

  • 時の立札
  • 特集:9/20航空記念日 勝利の礎☆航空戦力/空から来た敵は空で叩くぞ/われ翼もちたり/飛行機を造ろう(写真記事)
  • 必勝金属「白金」を残らず決戦へ
  • 覆面文芸「霜夜の火」
  • 決戦兄弟(マンガ)
  • 手榴弾(イラスト)
  • 僕も空へ(写真記事)

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【なんかいろいろすごい】良い子は空へ一直線【戦時中アスレチック】

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