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昨年5月、ドイツ航空界が世界に誇ったツェッペリン航空船LZ129ヒンデンブルグ号がアメリカの空港レークハーストで不幸爆発、一瞬にして幾多の生命とともに焼失し去って以来、世界航空界は航空船の将来をますます疑問視するようになった。
しかし不屈のドイツ精神はこの失敗にもめげず、さらに確信を以てエッケナー博士指導の下にフリードリッヒスハーフェン造船所で新造船LZ130の建造に着手、今や1年有余の苦心は成り、再び大西洋航空路に新しい雄姿を見せるのも近い将来であろう。

新建造のツェッペリン伯号LZ130は焼失したヒンデンブルグ号とほぼ同様の設計になるもので、全長245メートル、胴の直径41.2メートル、ガスの容積20万立方メートル、容積全量200トン、推進用発動機は800〜850馬力ディーゼル発動機4基、最高時速135キロである。

LZ130が誇るところは発動機の排出するガスから水を作り、これによって荷足の不足を補っていく装置である。元来、飛行船ではその動揺を防ぐために砂嚢その他の重りをつけているが、飛行時間の経過とともに消費される燃料の重さだけ船体が軽くなってその動揺を防ぎきることができなかった。がこの装置によれば、消費される燃料の重さに近い水が生産されて荷足になるから、船体重量の均衡が保たれることになり、また着陸の際にもガスを不必要に放出せずにすむわけである。
なお客室は以前と異なり、船体内に設備され、気嚢には不燃焼ガスを使用している。

LZ130の試験飛行は、9月14日フリドリッヒスハーフェン上空で行われた。銀色の巨船は紺碧の秋空をきって悠々9時間の旋回飛行を続け、大成功裡にレーウェンタール空港に着陸した。

 

第36号 昭和13年10月19日

目次

  • 広告「富国徴兵」
  • 漢口へ二十五里(写真短信)
  • 戦う軍馬(写真記事)
  • 戦場に新米を(写真記事)
  • 見よ!試練の日本 銃後の力(写真短信)
  • LZ130成る!(写真記事)
  • 海の彼方-チェッコをめぐる欧州(写真短信)
  • 読者のカメラ(読者投稿写真)
  • 広告「明治キヤラメル」
  • 広告「時事年鑑」
  • 広告「胃腸にエビオス」

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独飛行船ツェッペリン号LZ130 試験飛行成功!

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