29pick

空襲のあらゆる事態に処するには、何をおいてもまず防毒マスクが必要であり、防毒マスク使用に対する周到な知識を必要とする。
防毒マスクは、空襲の際防護作業に従事する人々のためのものとその他一般家庭女子用のものと二つに分けられる。家庭用は2円50銭くらいから市場に出ている。防護作業用は11、2円前後で吸収缶直結式と隔離式とある。右写真の上は家庭用、中は防護作業、下は一般幼少年用。

防空用具一覧
近代戦には予告がない。空爆の深刻な恐ろしさは想像だけで戦慄している訳にはいかない。
平時の訓練と防護の整備がないとすれば、いざ空襲の時、今までのいかなる戦争にもなかった悲惨がすべてを覆い尽くすのである。
非常の際に処する覚悟と知識を強調したい意味で今、内務省主催で開かれている防空展の中から代表的な防空防毒用具を紹介する。

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防護作業にあたる者は持久性のびらん性ガス等に備えて防毒マスクの外防毒衣の類も用意せねばならぬ。防毒衣は堅牢なもので22、3円かかる。

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毒ガス試嗅器のセット。平時からこの各種毒ガスの特臭、色彩を防護団員などは殊によく覚えておく必要がある。

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家庭にはバケツその他防火用具が必要だが消化器もいつもすぐ使えるように整備されなければならない。

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防弾防毒扉ーーふちはフェルトやゴムで包まれている。一般ビルディング等の防護室の入口はこれで固めねばならぬ。

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部屋の隙間をふさぐ目張りテープ

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地下防護室の破壊用具と毒ガス濾缶。濾缶は含毒外気を清浄に濾過し密閉された防護室の換気をする。換気通風用の電気モーターは停電の場合は手でハンドルを回す仕組みである。10人用から200人収容可能のものまである。

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セロファンの防毒蚊帳、四畳半用から十畳用まであり、値段は5円くらい12、3円前後
下部の房から通風できる。長時間の使用には耐えない。
応急品として発売されている。

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防毒マスクの吸収缶は大きさによって値段は異なるが、毒ガス中で150時間くらい吸収能力のあるものもある。

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不幸にして毒ガスの被害にあった場合はできるだけ早く救急の処置をとらなければならない。生命を護る色々な薬品を入れた救急箱は手近なところに備えよう。

 

第29号 昭和13年8月31日

目次

  • 広告「日東紡績株式会社」
  • 広告「ニッサン洗濯石鹸」
  • 特集:防空おぼえ帖 灯火管制の種類/空襲の味覚/街路で空襲に遭った時/公園や野原では/家庭では/ガス弾が炸裂した!/焼夷弾火災防火実演/防空用具一覧(写真記事)
  • ヒットラー・ユーゲント派遣団来る(写真記事)
  • 読者のカメラ(読者投稿写真)
  • 広告「防空用防毒面・防毒服」
  • 広告「国民防空展覧会」

表紙

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【防空必需品】家庭用防毒マスク 2円50銭〜

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