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横浜中華公立学校

横浜市の南京街、今次事変(日中戦争)の起こったその日から居留支那人が予想し怖れた不安も焦燥も、事実が全てを解決し、動揺した心の波も行くべきところに落ち着き、はじめて事変の何物であるかをおぼろげながらわかってきたか、昨今の南京街は白昼夢のような平静をたたえている。

事変前に比べればいくぶんの寂れは見せているが、しかし、この中にこそ日本をよく理解し、事変を熟知して、居残った支那居留民の新しい目の輝き、更生母国への希望に燃え立つ気魄を感じる。国際港横浜の汽船の汽笛と海の匂いの流れてくるこの街の一角に楽しい彼らの住家と学校ーー横浜中華公立学校がある。登校の時日本人児童と午後の縄跳びを約束していそいそと校門をくぐる支那人児童、南京街の市場へ日本の女中さんと語らいながら晩餐の買い物に出かける支那人主婦、春の光の下に楽しい生活が広げられている。

横浜中華公立学校は現在全校生徒226名、うち男子141名、女子85名。五色旗の下に集まる新支那公民が10名の先生に養われている。

<写真右上>
国語(支那語)の時間ーー何仲好先生受け持ちの尋常二年生のクラス。われわれ日本人から見るとこんな難しい字をもう教わっている。

<写真右下>
10分間の休み時間だ さァみんな運動場に出てキックボールしよう

<写真中央>
五年生女子の手芸の時間。編み物のお稽古の最中です。小さい手からもうすぐ兄さんの襟巻き、あたしのベレー帽、お父さんの靴下ができる。

<写真中央下>
お昼休み、お弁当を食べて日本語の絵本を一生懸命見とれている児童たち。この部屋は図書室兼手芸室で、備え付けの本は『少年倶楽部』『少女倶楽部』『カチカチ山』『シタキリスズメ』等々。

<写真左上>
午前9時、学校が始まる。するすると掲げられ春風にそよぐ新生中華民国五色旗に向かって全校先生・生徒いっせいに敬礼。この朝礼が終わってから、始業前の軽い体操があるのもわが国の小学校と同じだ。

<写真左下>
学校の授業は終わった。日暮れ近い薄陽を浴びて校庭は、付近のお母さんたちが小さい子供を連れて。一時の憩いの場所にもなる。

第6号 昭和13年3月23日

目次

  • 広告「鎮痛解熱剤ソボリン」
  • 特集:日本に学ぶ青年亜細亜 満州国留日学生会館/横浜中華公立学校/東京回教(イスラム教)学校/名古屋衆善寮(写真記事)
  • 見よ! 試練の日本 銃後の力(写真短信)
  • 電波は戦う(写真記事)
  • 各国放送局数及び普及率(グラフ)
  • 読者のカメラ(読者投稿写真)
  • 海の彼方(写真短信)
  • 広告「ジャパン・トレード・ガイド」「ジャパン・フォト・アルマナック」
  • 広告「週報」
  • 広告「日本放送協会」

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【戦前】横浜南京街(後の横浜中華街)の写真

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